三次元立体解析、きいぷらん

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三次元立体解析、木造の構造計算、構造設計

2014年8月16日土曜日

木造の基準法に定められてない床倍率について

品格法に定められている床倍率ですが建築基準法では言及されません。

この品格法で定められている床倍率が考慮されてない場合、構造上どの様な弱点となるか

考えてみたいと思います。


品格法上の床倍率の検討とは簡単に

床倍率と必要床倍率と比較して床倍率が勝っていればok

との判断となっています。

詳しくは省略しますが耐力壁で挟まれる床組み又は屋根組が一定の強さ以上になる様に

基準を定めています。



この床倍率が満たさない場合、床が柔らかいものとなり、想定されている建物の変形性能を

満たさないとのことになります。

一般的に地震時の木造の変形量は概ね階高の1/120程度と考えられています。

これは施工令82条の2の変形角を計算する場合のかっこ書き「地震力による構造耐力上

主要な部分の変形によって建築物の部分に著しい損傷が生ずるおそれのない場合に

あっては、1/120」から来ており、これを下回る場合は中地震時に仕上げに損傷を

与える恐れがあることを示しています。

※変形角に関しては木質径耐力壁形式構造に関するQ&Aを参考にしました。


つまり床倍率を満たさない場合は中地震時になんらか仕上げに損傷を与える可能性が

あることを示唆しています。



基準法上ではこの床倍率が定められてません。

極論壁線間距離が10m飛ぼうが20m飛ぼうが基準法上はokとのことになってしまいます。

私の過去の経験から金属屋根だと概ね5m程度、2階床だと4m程度が基準法で

対応出来る壁線間距離の限度だと感じています。


壁線間距離が飛ぶ場合、床屋根仕様が柔らかい場合には設計上注意が必要と考えられます。


また床倍率で対応出来ない壁線間距離の場合でも計算して変形量を確認することで

対応可能な場合がありますのでご相談を頂けますと幸いです。


一級建築士事務所
木のプランパートナー
きいぷらん
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