三次元立体解析、きいぷらん

三次元立体解析、きいぷらん
三次元立体解析、木造の構造計算、構造設計

2015年3月25日水曜日

木造の梁の計算その1

手計算で木造の梁の計算を行う方法を記事にしました。

主に住宅木材技術センターの許容応力度設計の書籍を参考にしています。


木造の梁の計算手順としては

1.荷重計算

2.応力算定

2.応力度算定

3.検定比確認

4.たわみ量確認

との手順となります。


計算の方法を順を追って解説して行きます。

なおここでは長期による検討のみとし、短期の検討は記事にしておりません。

梁上に筋交いが乗る場合は別途構造計算等が必要となりますのでご了承下さい。



1.荷重計算の方法

荷重計算は主に基準法施工令を参考に設定します。

木造の梁の計算に用いる荷重は固定荷重、積載荷重、積雪荷重、風圧力を考慮します。

固定荷重とは主に骨組みと仕上げ等の荷重のことです。

積載荷重とは人や家具等の床に積載する荷重のことです。



●固定荷重は基準法施工令84条に規定されており、ここに示されている項目ごとに

荷重を積算することになります。

また通常梁組は地盤面に水平に掛ける為、屋根勾配がある場合は勾配割増を行います。

(3/10寸勾配の場合 √(3^2+10^2)/10=1.05割増


例:瓦屋根の場合

  瓦ぶき、葺き土のない場合、下地及び垂木を含む(勾配割増) 640*1.05=672(N/m2)

  母屋、支点間距離2m以下 50(N/m2)

  束 105*105@910*1820 高さ2m 比重(0.5)程度 として
   0.105*0.105*2*5/0.91/1.82*1000=67(N/m2)

  梁、梁り間 4m以下 100(N/m2)

  天井、PB程度 150(N/m2)

合計 672+50+67+100+150=1039(N/m2)

を固定荷重と考えます。

また、基準法には項目が多くは示されてませんのでここに無い仕上げを使用する場合は

メーカ資料若しくは建築学会発行の荷重指針等を参考に荷重設定を行います。


荷重指針・同解説
荷重指針・同解説


●積載荷重は基準法施工令85条に規定されています。

住宅の床梁の場合は主に(1)の1300(N/m2)を用いることになります。




●積雪荷重は基準法施工令86条及び告示を元に積雪深度と荷重を算定しますが

その他に市町村及び県の条例(建築基準法施工令細則)で定められている場合は

その数字と見比べることを注意して下さい。




●風圧力荷重は基準法施工令87条及び告示を元に算定します。


こちらのサイトを使いますと積雪荷重と暴風荷重を計算することが出来ます。

積雪荷重
http://yamasatosato.wix.com/tool#!snow/c8jk

暴風荷重
http://yamasatosato.wix.com/tool#!wind/c1se7



その2梁の公式を使った応力計算へ→


木造の梁の計算その2

木造の梁の計算について解説その2です。

←その1荷重計算はこちら

応力の計算方法についての記事です。

木造の梁の応力計算は一般的に梁の公式を使用して計算されます。

荷重負担巾について

梁の応力は梁の公式を用いて応力算定を行いますが公式に示されている等分布荷重は

面積辺りの荷重(単位[N/m2])に荷重負担巾が考慮された荷重(単位[N/m])で計算されます。

荷重負担巾とは梁が受け持つ荷重範囲の巾です。

L1/2+L2/2が荷重負担巾


公式を使用して曲げモーメントとせん断力を算出します。

木造で使われる梁の公式集

はね出し単純梁 等分布

はね出し単純梁 等分布


はね出し単純梁 先端集中
はね出し単純梁 先端集中

単純梁 等分布

単純梁 等分布
単純梁 中央集中
単純梁 中央集中

単純梁 偏芯荷重
単純梁 偏芯荷重



等分布と集中荷重が同時に作用する場合は応力を足し合わせます。

ではこれが複雑になった場合はどうなるのでしょう?

複雑な荷重モデル


こうなってくると公式では対応が厳しくなって来ますのでその場合は立体解析や市販の

ソフトを使って精算を行うか安全をみて(勘所になりますが。。)大きく梁を設計することになります。


3.応力度算定へ続きます。

2015年3月24日火曜日

壁量計算、N値計算のフリーソフト、sk-calcの使用方法

壁量計算、N値計算のフリーソフト、sk-calc使用方法の説明です。

sk-calcは建築基準法施工令46条に基づいた壁量計算及び、
H12年建設省告示第1460号ただし書きに基づいたいわゆるN値計算を行うフリーソフトです。

画面クリックによる簡単操作及びExcel出力、Dxf出力に対応しています。

ダウンロード方法等
http://mokuzou.wix.com/ki-plan#!sk-calc/cbi1


使用方法動画説明



●手順1.柱位置に合わせてグリットを設定
 全ての柱梁にグリットが必要です。
 グリット以外の位置には配置不可です。


スパンの数字をダブルクリックするとスパンの修正が出来ます。


柱とグリットはCAD上で配置しdxf入力も可能です。
 1mm精度で読み込みますのでdxf入力時には必ず入力後グリットの精度を確認して下さい。
 dxfの仕様等については詳しくはマニュアル参照して下さい


●手順手順2.通り名を編集
 通り名をダブルクリックすることで通り名が編集出来ます。

 


まとめて編集する場合はアイコンx通り、y通りでまとめて編集出来ます。



●手順3.柱配置
 アイコン柱配置をクリックしグリット上に柱を配置します。
 柱はグリット上にしか配置できません。
 ここで設定したサイズはDXF出力に適用されます。
 DXF入力で柱を読み込んだ場合は不要です。


●手順4.耐力壁の配置
 アイコンをクリックし耐力壁を配置します。
 筋交い倍率を使用する場合は各項目を選択しパネル面材等の耐力壁を使う場合は
 直接入力して下さい。
 面材と壁倍率の併用は可です。
 筋交い計算時には5倍をmaxとしN値計算を行う場合はそのままの数値を適用します。



●手順5.床面積等の入力
  床面積、風見付け面積、1/4ライン寸法、筋交い計算条件入力を入力して下さい。
  階高は入力しなくてokです。


●手順6.隅柱の入力
 アイコンをクリックして柱を指示してオレンジの◯が表示されれば隅柱が
 入力されたことになります。


隅柱の表現

●手順7.上階屋根の柱の入力
 下屋になる部分があれば上階屋根の柱を入力します。
 アイコンをクリックし上階屋根の柱になる部分をクリックして下さい。
 柱の色が青になれば下屋として認識されたことになります。


上階屋根の柱の表現

●手順8.出力
  Dxf出力、筋交いシートをエクセルへ出力。
  出力を実行するとsk-calcファイルと同フォルダへ出力されます。


2015年3月12日木曜日

木造軸組工法、梁のスパン表フリーソフトのページ解説

木造軸組工法、梁のスパン表フリーソフトのページ解説です。

木造のスパン表の多くは各市町村、建築士会、事務所協会等で作成され配布されています。

現在配布されている資料の殆どは地場産材利用、地域特性の視点である一定の材料のみ

に限られているのが現状の様です。

また、エクセルシートで配布されていたりでシートの編集においてそれなりの専門知識が

必要であり、改変する場合は注意を要します。

当ホームページのスパン表はホームページ上で簡単に、また使用材料に巾を持たせて

だれでも利用可能なフリーのスパン表となっています。

使用に於いてはjavascriptを使用可能な状態でご使用下さい。

リンク先

http://mokuzou.wix.com/ki-plan#!span/c57j


使い方解説


1で材料を選んで下さい。

現状梁の樹種は8種類ですが希望があれば増やします。

2で仕上げを選んで下さい。

荷重は一般的と思われる荷重を採用としています。計算実行しましたら内訳を表示します。

梁巾、積雪、梁間隔、安全率(梁上柱を対象外としますので一般に0.5程度、詳しくはPDF参照)

3は詳しい荷重を採用する時に使用して下さい。2で荷重を選んでいれば必要ありません。

入力は以上です。

計算実行しましたらスパン表を表示します。

出力例、クリックで拡大


せいごとに最大スパンを計算致します。

これを印刷して梁せいを決定して下さい。

またきいぷらんではスパン表によらない荷重を詳細に拾った許容応力度による

梁のみの検討を行っておりますのでお気軽にご用命下さい。

スパン表によらない梁のみの検討

梁伏図、梁計算書、住宅1棟¥30,000より

一級建築士事務所きいぷらん
http://mokuzou.wix.com/ki-plan