手計算で木造の梁の計算を行う方法を記事にしました。
主に住宅木材技術センターの許容応力度設計の書籍を参考にしています。
木造の梁の計算手順としては
1.荷重計算
2.応力算定
2.応力度算定
3.検定比確認
4.たわみ量確認
との手順となります。
計算の方法を順を追って解説して行きます。
なおここでは長期による検討のみとし、短期の検討は記事にしておりません。
梁上に筋交いが乗る場合は別途構造計算等が必要となりますのでご了承下さい。
1.荷重計算の方法
荷重計算は主に基準法施工令を参考に設定します。
木造の梁の計算に用いる荷重は固定荷重、積載荷重、積雪荷重、風圧力を考慮します。
固定荷重とは主に骨組みと仕上げ等の荷重のことです。
積載荷重とは人や家具等の床に積載する荷重のことです。
●固定荷重は基準法施工令84条に規定されており、ここに示されている項目ごとに
荷重を積算することになります。
また通常梁組は地盤面に水平に掛ける為、屋根勾配がある場合は勾配割増を行います。
(3/10寸勾配の場合 √(3^2+10^2)/10=1.05割増
例:瓦屋根の場合
瓦ぶき、葺き土のない場合、下地及び垂木を含む(勾配割増) 640*1.05=672(N/m2)
母屋、支点間距離2m以下 50(N/m2)
束 105*105@910*1820 高さ2m 比重(0.5)程度 として
0.105*0.105*2*5/0.91/1.82*1000=67(N/m2)
梁、梁り間 4m以下 100(N/m2)
天井、PB程度 150(N/m2)
合計 672+50+67+100+150=1039(N/m2)
を固定荷重と考えます。
また、基準法には項目が多くは示されてませんのでここに無い仕上げを使用する場合は
メーカ資料若しくは建築学会発行の荷重指針等を参考に荷重設定を行います。
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荷重指針・同解説 |
●積載荷重は基準法施工令85条に規定されています。
住宅の床梁の場合は主に(1)の1300(N/m2)を用いることになります。
●積雪荷重は基準法施工令86条及び告示を元に積雪深度と荷重を算定しますが
その他に市町村及び県の条例(建築基準法施工令細則)で定められている場合は
その数字と見比べることを注意して下さい。
●風圧力荷重は基準法施工令87条及び告示を元に算定します。
こちらのサイトを使いますと積雪荷重と暴風荷重を計算することが出来ます。
積雪荷重
http://yamasatosato.wix.com/tool#!snow/c8jk
暴風荷重
http://yamasatosato.wix.com/tool#!wind/c1se7
その2梁の公式を使った応力計算へ→