三次元立体解析、きいぷらん

三次元立体解析、きいぷらん
三次元立体解析、木造の構造計算、構造設計

2024年7月21日日曜日

木造の許容応力度設計、三次元立体解析で外せない重要な検討、N値計算

楓工房、楓構造研究所、三次元立体解析




三次元立体解析は自由な建物形状が検討出来る反面、ソフトで検討しないことが

多々あり、構造設計者が注意して計算をする必要があります。

N値計算も三次元立体解析ソフトで検討しない代表的な計算で構造設計者の責任に

よって確かめる必要があります。

2019年9月3日火曜日

検索範囲から条件を指定して最大値抽出、エクセル関数MAXIF、EXCEL 2000,20002,2003,20007,2010,2013

エクセル備忘録

エクセル関数、条件を指定して最大値を抽出する関数です。

EXCEL2016からはMAXIFSとして標準装備されている物です。

2016以前のバージョンでお使い下さい。

VBAを利用した関数です。

MAXIF(検索条件,検索範囲,値範囲)

値の内最大値を抽出します。

値と検索位置の行位置は揃えて下さい。

例:検索範囲A1:A12だと値範囲はB1:B12の様に


Function MaxIF(ss As String, ws1 As Range, ws2 As Range) As Double
Dim i_end As Double
Dim p_max As Double
Dim i As Double

i_end = ws1.Count
p_max = 0

For i = 1 To i_end
    If ss = ws1.Cells(i, 1) Then
        If (Abs(p_max) < Abs(ws2.Cells(i, 1))) Then
            p_max = ws2.Cells(i, 1)
        End If
    End If
Next

MaxIF = p_max

End Function

2019年7月31日水曜日

あなたの木造三次元立体解析は危険?その理由は!木造の重要なほぞの検討について

楓工房
楓工房、楓構造研究所、三次元立体解析



三次元立体解析は実際の建物に近い形でモデル化出来、詳細検討が出来る非常に便利なソフトでありますがその反面扱いが複雑で高い専門性を必要とします。
つまりソフトに頼るだけではなく、構造設計者側の判断の重要性が求められます。

その内重要な設計であるホゾについて記事をまとめました。

木造の継手や仕口(木材同士の接続部)はプレカットや大工刻みを行うことで木材に欠損が生じます。
特に上から柱が乗る梁にはホゾと言って梁を彫り込んで柱を接続する加工を行いますがこのほぞの欠損の検討が木造の構造計算において重要となります。

ホゾのイメージ


欠損によるの性能低下は構造設計において重要な事で上からほぞが彫られている場合、最大で元の断面より16%程!にも性能低下を起こす場合があります。

設計者によっては欠損は50%一律と荒い設計を行っている者も見受けられますがこれでは危険であることが一目瞭然です。

また構造設計の木造軸組工法住宅の許容応力度設計にはこのホゾ欠損の断面欠損率が
記載されていますがホゾ長さが30mmと短く設定されています。
実際の建物はホゾ穴を60mm以上とすることがほとんどであり30mmと指定しない限り60mmとなり、加工精度の問題により70mmとなることが大半の様です。
逆に筆者の間隔としては30mmでは短すぎると感じています。
(※ほぞ長さはプレカット業者によって違いがあります。)

つまりマニュアル通りにやっていれば安全が確かめられていることにはなりません。
現場を知ることも構造設計者にとって重要なことです。




















また市販の三次元立体解析ソフトは2019年4月現時点では欠損の検討に対応しておらず(きいぷらん調べ)、ほぞ欠損の検討は構造設計者に任されています。

つまりほぞ欠損の検討は三次元立体解析を行うこと自体よりも『その先』の検討が重要になって来ます。

きいぷらんではオリジナルの自社プログラムstanplotを使用することで横から蟻掛け、上からほぞが来る、など場所場所によって適切にほぞ欠損を評価し安全を確かめています。

下記一番左の欠損率とタイプが検討の証明です。
手元の計算書と比べて見て下さい。

出力例





2016年1月28日木曜日

備忘録:HOUSE-ST1梁の断面算定、木の構造設計事務所、きいぷらん

(株)構造システムの木造許容応力度ソフト、HOUSE-ST1について備忘録


HOUSE-ST1は比較的安価で木造の許容応力度計算が行えるありがたいソフトです。

中でも木造の構造計算のソフトは梁の断面算定、自動で梁せいを決めてくれない物が

(オプションだったり)多いのですがHOUSE-ST1は自動の断面算定に対応しており

サブのソフトとして気に入って使ってます。

(当社メインは別ソフトによる立体解析です。)

自動算定について操作方法がちょっと分かり辛い為、備忘録

計算実行時にはり断面計算の算定にチェックを入れ計算実行


HOUSE-ST1

計算実行後吐き出される計算結果の内、7.3.5 横架材の曲げとたわみ・せん断の算定結果にて

必要梁せいが確認出来ます。


HOUSE-ST1


これは事前に入力した材質、はり幅、低減係数(断面欠損)、部位から必要最低はりせいを

求めた算定計算結果ですが断面欠損については手入力とのことで木造軸組み工法住宅の

許容応力度設計、(日本住宅・木材技術センター)等を参考に判断して決める必要がある様です。



※注意

下画像でマーキングした梁で13-15間が片持ちの梁なのですが12-13間の必要せいが

13-15間とくらべて極端に小さい為、連梁の検討は対応してない感じです。

複雑な応力状態になる梁は手計算や任意フレーム解析で対応した方が良さそうですね。



2015年3月25日水曜日

木造の梁の計算その1

手計算で木造の梁の計算を行う方法を記事にしました。

主に住宅木材技術センターの許容応力度設計の書籍を参考にしています。


木造の梁の計算手順としては

1.荷重計算

2.応力算定

2.応力度算定

3.検定比確認

4.たわみ量確認

との手順となります。


計算の方法を順を追って解説して行きます。

なおここでは長期による検討のみとし、短期の検討は記事にしておりません。

梁上に筋交いが乗る場合は別途構造計算等が必要となりますのでご了承下さい。



1.荷重計算の方法

荷重計算は主に基準法施工令を参考に設定します。

木造の梁の計算に用いる荷重は固定荷重、積載荷重、積雪荷重、風圧力を考慮します。

固定荷重とは主に骨組みと仕上げ等の荷重のことです。

積載荷重とは人や家具等の床に積載する荷重のことです。



●固定荷重は基準法施工令84条に規定されており、ここに示されている項目ごとに

荷重を積算することになります。

また通常梁組は地盤面に水平に掛ける為、屋根勾配がある場合は勾配割増を行います。

(3/10寸勾配の場合 √(3^2+10^2)/10=1.05割増


例:瓦屋根の場合

  瓦ぶき、葺き土のない場合、下地及び垂木を含む(勾配割増) 640*1.05=672(N/m2)

  母屋、支点間距離2m以下 50(N/m2)

  束 105*105@910*1820 高さ2m 比重(0.5)程度 として
   0.105*0.105*2*5/0.91/1.82*1000=67(N/m2)

  梁、梁り間 4m以下 100(N/m2)

  天井、PB程度 150(N/m2)

合計 672+50+67+100+150=1039(N/m2)

を固定荷重と考えます。

また、基準法には項目が多くは示されてませんのでここに無い仕上げを使用する場合は

メーカ資料若しくは建築学会発行の荷重指針等を参考に荷重設定を行います。


荷重指針・同解説
荷重指針・同解説


●積載荷重は基準法施工令85条に規定されています。

住宅の床梁の場合は主に(1)の1300(N/m2)を用いることになります。




●積雪荷重は基準法施工令86条及び告示を元に積雪深度と荷重を算定しますが

その他に市町村及び県の条例(建築基準法施工令細則)で定められている場合は

その数字と見比べることを注意して下さい。




●風圧力荷重は基準法施工令87条及び告示を元に算定します。


こちらのサイトを使いますと積雪荷重と暴風荷重を計算することが出来ます。

積雪荷重
http://yamasatosato.wix.com/tool#!snow/c8jk

暴風荷重
http://yamasatosato.wix.com/tool#!wind/c1se7



その2梁の公式を使った応力計算へ→


木造の梁の計算その2

木造の梁の計算について解説その2です。

←その1荷重計算はこちら

応力の計算方法についての記事です。

木造の梁の応力計算は一般的に梁の公式を使用して計算されます。

荷重負担巾について

梁の応力は梁の公式を用いて応力算定を行いますが公式に示されている等分布荷重は

面積辺りの荷重(単位[N/m2])に荷重負担巾が考慮された荷重(単位[N/m])で計算されます。

荷重負担巾とは梁が受け持つ荷重範囲の巾です。

L1/2+L2/2が荷重負担巾


公式を使用して曲げモーメントとせん断力を算出します。

木造で使われる梁の公式集

はね出し単純梁 等分布

はね出し単純梁 等分布


はね出し単純梁 先端集中
はね出し単純梁 先端集中

単純梁 等分布

単純梁 等分布
単純梁 中央集中
単純梁 中央集中

単純梁 偏芯荷重
単純梁 偏芯荷重



等分布と集中荷重が同時に作用する場合は応力を足し合わせます。

ではこれが複雑になった場合はどうなるのでしょう?

複雑な荷重モデル


こうなってくると公式では対応が厳しくなって来ますのでその場合は立体解析や市販の

ソフトを使って精算を行うか安全をみて(勘所になりますが。。)大きく梁を設計することになります。


3.応力度算定へ続きます。

2015年3月24日火曜日

壁量計算、N値計算のフリーソフト、sk-calcの使用方法

壁量計算、N値計算のフリーソフト、sk-calc使用方法の説明です。

sk-calcは建築基準法施工令46条に基づいた壁量計算及び、
H12年建設省告示第1460号ただし書きに基づいたいわゆるN値計算を行うフリーソフトです。

画面クリックによる簡単操作及びExcel出力、Dxf出力に対応しています。

ダウンロード方法等
http://mokuzou.wix.com/ki-plan#!sk-calc/cbi1


使用方法動画説明



●手順1.柱位置に合わせてグリットを設定
 全ての柱梁にグリットが必要です。
 グリット以外の位置には配置不可です。


スパンの数字をダブルクリックするとスパンの修正が出来ます。


柱とグリットはCAD上で配置しdxf入力も可能です。
 1mm精度で読み込みますのでdxf入力時には必ず入力後グリットの精度を確認して下さい。
 dxfの仕様等については詳しくはマニュアル参照して下さい


●手順手順2.通り名を編集
 通り名をダブルクリックすることで通り名が編集出来ます。

 


まとめて編集する場合はアイコンx通り、y通りでまとめて編集出来ます。



●手順3.柱配置
 アイコン柱配置をクリックしグリット上に柱を配置します。
 柱はグリット上にしか配置できません。
 ここで設定したサイズはDXF出力に適用されます。
 DXF入力で柱を読み込んだ場合は不要です。


●手順4.耐力壁の配置
 アイコンをクリックし耐力壁を配置します。
 筋交い倍率を使用する場合は各項目を選択しパネル面材等の耐力壁を使う場合は
 直接入力して下さい。
 面材と壁倍率の併用は可です。
 筋交い計算時には5倍をmaxとしN値計算を行う場合はそのままの数値を適用します。



●手順5.床面積等の入力
  床面積、風見付け面積、1/4ライン寸法、筋交い計算条件入力を入力して下さい。
  階高は入力しなくてokです。


●手順6.隅柱の入力
 アイコンをクリックして柱を指示してオレンジの◯が表示されれば隅柱が
 入力されたことになります。


隅柱の表現

●手順7.上階屋根の柱の入力
 下屋になる部分があれば上階屋根の柱を入力します。
 アイコンをクリックし上階屋根の柱になる部分をクリックして下さい。
 柱の色が青になれば下屋として認識されたことになります。


上階屋根の柱の表現

●手順8.出力
  Dxf出力、筋交いシートをエクセルへ出力。
  出力を実行するとsk-calcファイルと同フォルダへ出力されます。