楓工房、楓構造研究所、三次元立体解析
つまりソフトに頼るだけではなく、構造設計者側の判断の重要性が求められます。
その内重要な設計であるホゾについて記事をまとめました。
木造の継手や仕口(木材同士の接続部)はプレカットや大工刻みを行うことで木材に欠損が生じます。
特に上から柱が乗る梁にはホゾと言って梁を彫り込んで柱を接続する加工を行いますがこのほぞの欠損の検討が木造の構造計算において重要となります。
ホゾのイメージ
欠損によるの性能低下は構造設計において重要な事で上からほぞが彫られている場合、最大で元の断面より16%程!にも性能低下を起こす場合があります。
設計者によっては欠損は50%一律と荒い設計を行っている者も見受けられますがこれでは危険であることが一目瞭然です。
また構造設計の木造軸組工法住宅の許容応力度設計にはこのホゾ欠損の断面欠損率が
記載されていますがホゾ長さが30mmと短く設定されています。
実際の建物はホゾ穴を60mm以上とすることがほとんどであり30mmと指定しない限り60mmとなり、加工精度の問題により70mmとなることが大半の様です。
逆に筆者の間隔としては30mmでは短すぎると感じています。
(※ほぞ長さはプレカット業者によって違いがあります。)
つまりマニュアル通りにやっていれば安全が確かめられていることにはなりません。
現場を知ることも構造設計者にとって重要なことです。
また市販の三次元立体解析ソフトは2019年4月現時点では欠損の検討に対応しておらず(きいぷらん調べ)、ほぞ欠損の検討は構造設計者に任されています。
つまりほぞ欠損の検討は三次元立体解析を行うこと自体よりも『その先』の検討が重要になって来ます。
きいぷらんではオリジナルの自社プログラムstanplotを使用することで横から蟻掛け、上からほぞが来る、など場所場所によって適切にほぞ欠損を評価し安全を確かめています。
下記一番左の欠損率とタイプが検討の証明です。
手元の計算書と比べて見て下さい。
出力例